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今日も普通の日常

大学生のモクソンが起こったことを綴ったり、思ったこと、読んだ本や映画、ゲームなどの感想を書いたりするブログ。つまるところ自分の記録。

米国特許取得方法について調べることがあったのでまとめてみた

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タイトルどおりです。色々あって米国特許取得方法について調べることがあったので簡単に方法をまとめてみました。多分合ってると思いますが、これを鵜呑みにして損害があっとしても、責任を負いません。自己責任でお願いします。
ちゃんと専門家に相談してくださいね。


米国特許には主に3つの種類Design Patent(デザイン特許), Utility Patent(通常の特許), Plant Patent(植物特許)が存在します。基本的なの、一般的に特許法と呼ばれるものはUtility Patentですね。意匠、著作、商標登録などに関してはまた別の情報を確認してください。

現在、日本から米国の特許出願を行う方法には主に以下の種類が存在します。
・パリ条約
・PCT(特許協力条約)
・PPH(特許審査ハイウェイ)
・各国出願
パリ条約、PCT、PPHでの申請には日本特許申請が最初に必要ですが、各国出願では日本の特許申請の必要がなく直接米国での特許申請が可能です。また日本から米国での特許申請を行う場合、どの特許出願方法においても米国の国内に住所等を有する米国代理人を選定する必要です。



●パリ条約に基づく国際出願

・概要

パリ条約は各国の工業所有権の国際的保護を目的として1883年の締結された条約であり、現在175カ国が加盟中です。パリ条約には、内外人平等の原則、優先権、各国特許の独立の3つの原則が定められており、その中で特許出願において重要となってくるのは優先権です。
この優先権は、例えば「第1国に出願した後,12ヵ月以内に第2国に出願すれば,第2国の出願は第1国に出願した場合と比較して不利益を受けることがない」といったもので、この優先権を用いることで翻訳などの手続きの準備や外国出願するか否かの検討が可能となっております。パリ条約に基づいた国際出願は,出願先国の指定言語に翻訳しなければなりませんが,直接出願と比べて12ヵ月の時間的余裕を確保できるというメリットがあります。優先権を用いてメリットを確保できるという点以外は、基本的に各国出願と同じ形をとることになります。


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・取得手続き
パリ条約の優先権を用いる他は各国出願と同じ手続きとなります。手続き方法は各国出願で記載します。

・料金
上記と同様、パリ条約の優先権を用いる他は各国出願と同じ料金となります。料金も同様に各国出願の方で記載します。

・その他
優先権の主張期間(12ヶ月)のあとでも、2か月以内の出願においては外国出願に基づく優先権の回復を認められます。料金は1700ドル、中小企業については850ドルの料金が必要となってきます。<参考資料>
パリ条約 | 経済産業省 特許庁




●PCT(特許協力条約)に基づく国際出願

・概要
特許協力条約(以下PCT)は1970年に締結された特許に関する条約であり、現在145カ国加盟しています。PCTは煩雑な短期間に特許出願の手続を踏む作業を大幅にカットできる制度で、日本で特許の申請を行うときに同じく特許庁に対し特許の国際出願をすることによって、他の複数の条約締結国(145カ国)に対して、発明の保護を求めることを可能とする制度です。この制度はパリ条約の優先権と併用して用いることが出来るため、国内出願を行なってから12ヶ月以内までPCT出願が可能です。PCT出願後から国内移行手続きの期日は30ヶ月以内で、出願してから国内移行手続きをするまでの30ヶ月の期間を国際段階といい、各国へ移行した後を国内段階といいます。この国際段階中に出願人は特許庁の先行技術調査の結果である国際調査報告を受けて特許の可能性の検討を行い、その検討結果に応じて請求の範囲補正を行うことができます。さらに、出願人は国際予備審査を行うことが出来、特許庁の審査官による特許性の判断を受けることもできます。なお、国際予備審査の結果は、各指定国での審査を拘束するものではないが、出願人及び各指定国の審査官にとって、有用で影響力のある判断材料になります。国内移行手続きで出願人は各国で定められた明細書等の全文の翻訳文や料金の提出によって申請でき、出願人は効率的に特許を取得できます。
この条約は国際出願によって複数の国に特許を出願したのと同様の効果を提供しますが、複数の国での特許権を一律に取得することを可能にするものではありません。特許権の取得審査は各国ごとに行わなければならいないのです。つまり、各国の特許権を獲得するためにはただPCT申請をするだけでは足りず、出願人の積極的なアクションそして各国の審査基準を通過し手続きを行う必要があります。
PCT出願の最も大きなメリットとして、国際出願日を一つの出願で確保できるという点が挙げられる(優先権のメリット)一方、デメリットとして複数の国に出願しなければその費用対効果が小さいことがあります。


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・取得手続き

PCT出願には主に2つの出願方法があります。

➢書面による出願
国際出願様式の書面に記載した願書・明細書等を特許庁国際出願課受理官庁受付窓口、郵送又はFAXで提出します。願書の様式はこちらの形になります。

➢インターネット回線を利用した電子出願
電子出願には特許庁が提供する「インターネット出願ソフト」もしくはWIPOが提供する「PCT-SAFEソフトウェア」を使った出願方法があります。
インターネット出願ソフト独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供するソフトウェアで、日本語の願書のみ作成可能です。
一方、PCT-SAFEソフトウェアWIPO国際事務局が提供するソフトウェアで、日本語、英語のいずれの言語でも願書を作成することができます。

電子出願を利用した場合、料金が通常よりも安く手続きを行うことができるようになります。
国際調査は、国際特許出願を行うと日本語国際出願の場合、日本特許庁が国際調査機関となり自動に行われます。国際調査によって出願者は国際調査報告及び見解書が与えられ、修正や国際出願の参考にすることが出来ます。
国際予備審査は、出願者の任意で行うことができ、国際予備審査機関は、特許性に関する国際予備報告が作成されます。国際予備審査請求の様式はこちらの形になります。


・料金
各国の出願手続きにおける料金は各国の特許法によって異なります。弁理士手数料や各国の出願手続き料金を含めない場合の料金は最低でも20万以上になると考えられ、国際調査などでさらに料金がかかることになると思います。
詳細

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参考資料
PCT – The International Patent System
PCT国際出願制度の概要 | 経済産業省 特許庁
PCT国際出願関係手続Q&A | 経済産業省 特許庁




●PPH(特許審査ハイウェイ)制度に基づく国際出願

・概要
PPH (特許審査ハイウェイ)は特許庁の審査負担の軽減、海外の複数の国で特許の早期権利化を目的とした世界の各特許庁間での制度の一つです。日本は中国、韓国、イギリス、ドイツといった様々な国々と結んでおりアメリカもそのうちの一つに入っています。この制度は日本特許庁で特許を取得可能と判断された発明に関して、PPH加盟国の特許庁において特許取得の早期審査を受けることが出来るものです。PPH審査を行うことで、審査期間の短縮、審査におけるアクション回数の削減、現地代理人費用の削減、特許査定率の向上といった効果を期待できます。
実際、米国における特許取得の平均期間は18ヶ月ですが、PPH申請による出願を行うことで、平均4,4ヶ月までに削減を行うことが出来、特許査定率も平均53%から87.9%までに上昇するといった効果があります。またこのPPH審査は前項のPCT(特許協力条約)に基づく国際出願と組み合わせて使用することができ、国際調査機関が作成した見解書や国際予備審査報告を利用して各国出願を行うことが出来ます。



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・取得手続き
PPHの申請には、各国の特許庁が発行を行う申請書、対応する米国出願に対して米国審査官から出された全てのオフィスアクションの写し、対応する米国出願の特許可能と明示された請求項を含む特許請求の範囲の写しといった書類の提出が必要となります。もし何か不備があれば米国特許庁から拒絶理由が通知される「オフィスアクション」が行われます。拒絶理由通知がなければ、特許の登録が行われます。

こちらが米国特許庁によって発行が行われている申請書です。

・料金
PPH申請手数料は各国特許庁によって異なりますが、大半は無料です。



●米国特許庁への直接出願

・概要
米国特許庁は通称UPSTO(United States Patent and Trademark Office)と呼ばれ、商務省に属する機関のひとつです。通常UPSTOに申請を行い特許の取得をおこないます。

・取得手続き
米国での特許出願では本出願と仮出願の2つの方法があります。基本的に特許取得において本出願は必ず行わなければなりませんが、初期費用を今持ち合わせていない、優先権を真っ先に確保したいといった場合に用いられます。仮出願は260ドル支払えば行うことができ、審査されずに優先権の確保を行うことが出来ます。仮出願後12ヶ月以内に本出願を提出しない場合放棄されます。本出願は、郵送などの紙媒体での申請もしくは、EFS-Webを用いたオンラインの申請の2通りあり、紙媒体での申請では通常の申請料金に加え、400ドル必要となります。出願には出願送付票(Utility application transmittal form)、料金送付票 (Fee transmittal form)、出願データシート(Application data sheet)、明細書(Specification)、図面(Drawings)、宣誓書または宣言書(Executed oath or declaration)、委任状(Power of attorney to prosecute applications)といったものが必要に応じて提出しなければならないです。
書類提出後、米国特許庁による審査を受けることになります。支払い料金やプランによっては出願後12か月以内に審査が終わり、特許査定か拒絶の最終処分が行われる早期審査(Accelerated Examination)のように審査経過禁反言のリスクがあるような書類(PESDとAESD)の提出が不要であり、優先審査を申請してもそれ自体には何ら審査経過禁反言の心配がない優先審査(prioritized examination)などが存在します。
審査の過程において、もし審査官が特許できないと考えたときには拒絶通知(オフィスアクション)を通知します。このオフィスアクションに応じて補正などを応答期間内に行う必要があります。また、オフィスアクションを受けた際に審査官とのインタビューの機会を設けることもできます。米国特許庁の審査が通った場合に特許の取得となります。
ちなみに米国特許期間は20年です。

UPSTO Forms For Patent Applications Filed On Or After September 16, 2012
http://www.uspto.gov/patent/forms/forms-patent-applications-filed-or-after-september-16-2012


図 米国特許庁における特許取得のチャート
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引用:
Process for Obtaining a Utility Patent | USPTO


・料金
特許取得にかかる料金ですが、フレームの数や特許書類枚数、企業の大きさによって料金が変動するため一概には言えないです。おそらく、弁理士手数料などを入れずに少なくとも2000ドル以上は必要になると考えられます。また、特許の維持のために特許取得時から3.5年、7.5年、11.5年ごとに維持料金としてそれぞれ1600ドル、3600ドル、7400ドル必要となります。(年金、中小企業、個人等の場合は半額となります。) 詳しくは料金体系のページをご覧ください。


参考資料
United States Patent and Trademark Office
米国合衆国特許法