今日も普通の日常

大学生のモクソンが起こったことを綴ったり、思ったこと、読んだ本や映画、ゲームなどの感想を書いたりするブログ。つまるところ自分の記録。

「君の名は。」感想その1 「君の名は。」は「雲のむこう、約束の場所」のリメイク作品に感じた件

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ー「君の名は。」のネタバレを含みます ー

君の名は。」を2回ほど観てきた。観終わった後の感想として、一言言うなら
「面白かった!!!」
で二言目に出てきたのは
新海誠監督の雲のむこう、約束の場所と似てたな」
だった。


でも、自分の周りの新海誠監督ファンに聞いても同じように思っている人は少なかったし、ネットを少し覗いてみてもそんなこと言っている人もほとんど居なかったんですよ。これは、自分の感性がズレているのか、それとも周りに雲のむこうを観ている人があまりいないからなのでしょうか?(おそらく前者)


君の名は。」本編自体の感想に関してはまた今度述べるとして(「面白かった!」でも十分な気はするけど)、どこらへんが「君の名は。」が「雲のむこう、約束の場所」に似ていたかについて話していきたいと思います。


(ちなみに、私は新海誠監督による公開されている映画は全て見ていて、どれも結構好きです。一番好きな作品は「雲のむこう、約束の場所」です!)




そもそも、「君の名は。」はみなさん観ていますよね??
観てなかったらぜひこんな感想を読む前に観に行ってください!


雲のむこう、約束の場所」に関して簡単に説明しますと
新海誠監督の「ほしのこえ」に続く2004年に公開された2作目の監督作品。(もう12年も前!!意外!!)
簡単なあらすじとしては、

日本の北海道がユニオンという国家に統治され、謎の高くて白い塔が北海道で建造されているという少しSFチックな世界観。そこの青森に住む中学生の2人藤沢浩紀白川拓也は白い塔に憧れ、塔まで行くために飛行機ヴェラシーラを作る計画を進めていた。そんなある日のこと、浩紀が口を滑らせたせいで、クラスメイトの沢渡佐由理にそのことがバレてしまう。そして3人でその秘密を共有しながら計画を着実に進めていたが、完成間近になって佐由理は2人から姿を消すこととなり、2人もそれからヴェラシーラの作成を辞めてしまう。
それから3年後、東京に出た浩紀は佐由理の夢をよく見ていた。一方で、佐由理も荒廃した世界の夢を見ており、実際に佐由理が2人から姿を消したのも原因不明の夢を見続ける病気にかかったためだったのだ。
そしてなんやかんやあって、浩紀と拓也は再び出会い、ヴェラシーラに佐由理を乗せ、塔に連れていくことで佐由理は目覚めると同時に宇宙が喪失すると知った2人は塔の破壊と佐由理を目覚めさせる事を同時平行して行うために、ヴェラシーラで佐由理を載せて連れて行き目覚めさせるとともに、爆弾で塔の破壊を行い。宇宙の喪失をくい止めるが、佐由理の夢の中での記憶は消えてしまう・・・

雲のむこう、約束の場所」のあらすじ説明ってかなり難しいですね・・・
詳しくは本作を観ていただくか、Wikipediaあらすじでも読んでください!

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で、「君の名は。」と「雲のむこう、約束の場所」の2作が似たものと感じたのはどこかというと大きく2点
・「夢」というのが大きく関わってくる点
・物語の流れの構造が異なる世界にいる男女2人がお互い会おうとしているという点



●「夢」というモチーフ

君の名は。」では、三葉と瀧の精神が夢の中で入れ替わり、二人がお互いの私生活を演じて暮らすという展開が前半に繰り広げられる一方で、後半にも夢と現実、現世とあの世の境目となる「かたわれ時」も重要な役割を背負ってます。
物語の時間軸において何が夢で何が夢でなかったのか?といった所を語りだすとSF談義になってしまいそうなので今回は遠慮しておきますが、とにかく「君の名は。」において使用されている音楽にRADWIMPSの「夢灯籠」といった曲があるなど「夢」というのは重要なモチーフになっていることは確かですよね。

一方で、「雲のむこう、約束の場所」では明確に「夢」の中の世界が描かれています。
物語の中盤から終盤に向けて、ヒロインである佐由理はずっと夢の中の世界でひとりぼっちで過ごしています。また、主人公である浩紀も夢の中で佐由理の気配を感じ探します。実際に夢の中で二人が会っているわけではありませんが、夢の中の出来事は現実以上に重要な意味を浩紀にとっても鑑賞している私達にとっても重要なものとなってくるのです。



2つの作品はどちらも惹かれ合った、もしくは惹かれ合いそうな男女二人は「夢」の中ですれ違っている。そこで直接出会えるわけではないが、夢の中の世界は二人の関係において重要な役割を担っています。


これの感覚って、日本古来の夢の感覚に近いものを感じます。
例えば、平安時代藤原敏行が読んだ

住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路(ぢ) 人目(ひとめ)よくらむ

という和歌は男女の恋愛の夢の感覚を示したもので、意味は
「現実世界はまだしもなんで、貴方は夢のなかにさえ現れないの?別に見ている人は誰も居ないのに。私への思いはどうなったの?」
というものです。
平安時代の貴族は自分の夢に頻繁に出てくれる人は、自分の事を想っている人であり、出てこなくなれば、その人は自分の事をあまり想ってくれなくなったという風に判断していました。つまり、平安時代の貴族が男女の恋愛の仲を計るための基準として夢を用いており夢の中で出会える異性というのはとても重要な意味を持った人物となったのです。
この考えと新海誠監督の描く夢と似ているところがありますね。



●似ている物語構造

君の名は。」では、夢の中で入れ替わった瀧と三葉の2人がもう一度会うためにお互い行動を起こし最終的に出会うことができる物語(結ばれることが示唆されてる)です。瀧は三葉と会うために、長野県に飛騨に行ったり、隕石の落下を知ってからは三葉そして糸守町に住む住民をなんとか出来ないか色々と試します。同時に三葉も瀧に会うために1人で東京に行ったりします。

雲のむこう、約束の場所」では、佐由理は夢の中に囚われており自ら行動を起こすことは出来ないですが、一方で、浩紀と拓也の2人は佐由理のため(ついでに世界のために)ヴェラシーラを完成させ、塔の破壊を試みます。
2作とも男女お互いが直接会うことが出来ない状況の中、お互い出会うために行動を起こそうとする所が印象的でした。


そして夢の中のこと、幻想の中で起こった出来事は現実に帰るとともに消えてしまうというのも一緒です。
君の名は。」だと、2人の最後の入れ替えの後にお互い名前や詳細を忘れてしまいます。少し思い出すキッカケとなりそうな残り香を置いて。
雲のむこう、約束の場所」では、佐由理が夢から目覚めると、拓也に言いたかったこと夢のなかでの拓也への想いなどが消えてしまいます。

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君の名は。」と「雲のむこう、約束の場所」の共通点は言ってしまえば「夢というモチーフ」そして「大まかな物語構造」の2点だけなのですが、この2点がストーリーに大きく影響を与えているため二作品が似ている印象、リメイク作品のような印象を受けました。


ただ、結末は違うものとなっています。
君の名は。」では、二人は再び社会人になってから出会うことができ、お互いが結ばれることが示唆さして終わります。
一方で「雲のむこう、約束の場所」では、お互いは夢から目覚めることでいつでも出会える関係になったもののお互いは結ばれずに終わるのです。
ある意味結末が二作を決定的に違うものにたらしめているといってもいいのかもしれません。


どちらにせよ、新海誠監督の「君の名は。」しかり、「雲のむこう、約束の場所」しかり良い作品には違いないです。あんな綺麗な作品を大きな画面で見れるという意味だけでもまだ観てない人は映画館に行ってみるべきです!(多分ここまで読んでる人で観てないとかいう人はいないと思うけど)
もしこれで「雲のむこう、約束の場所」に興味をもった方がいるなら是非観てほしいです!
新海誠監督の考える「夢」とは何かというのもしっかりと感じれる作品になってますし、巷で言われるように欠点もある一方でしっかりとエンタメとして面白く飽きることなく見れる作品ですので!


【追記】

特に、「君の名は。」のこのシーンと、「雲のむこう、約束の場所」の夢の中のシーンとかはまんまそうですよね。

その2とか、続きは普通の感想を書こうと思ったけど、私の言いたいことは他の感想ブログやSNSなどで発言してるみたいだし、書くモチベーションが下がったので・・・