博士課程が就活してみた -情報系編-

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情報系の博士課程の学生が就活してみてしばらく経ったので振り返り。 博士課程系の就活の情報がほとんど無い、かつ、(おそらく)正解も無いのでサンプル数1としてどうやって見つけたか書いてみる。 ちなみに(売り手市場と言われている?)情報系なので、他の分野などは参考にならない可能性も。

簡単な(当時の)プロフィール

就活における個人的な条件

  • (必須) 研究職: 正直、研究がめちゃくちゃしたいというよりも、エンジニアなどのコーディングが好きじゃないのでこっちのほうが向いているかなという理由が大きい。必須な条件はこれだけ。
  • (優先度高) 実力が付きそう: 強くなりたい。
  • (優先度高) Twitterのデータが使える研究ができる: Twitterのデータが好き。
  • (優先度高) 計算社会科学系のことができる: この分野が好き。
  • (優先度高) 自転車でマックとかファーストフード店に行ける: No fast food, No Life
  • (優先度高) 自由度がそこそこ高い: 縛られるのがあんまり好きじゃない。
  • (優先度中) 怖くない上司: 怒らないでください。
  • (優先度中) フレキシブル: 休みたいときに休みたい。
  • (優先度中) 京都: 京都 is best.
  • (優先度中) 日本: 海外とか行ってみるのも良いとは知りつつ英語は苦手なので。
  • (優先度低) 給料高い: あって損はないもの1位。

やったこと

基本的には3つ

  • 自分のホームページを作る (4月後半)

  • 情報を調べる (4月後半)

  • 興味ある会社・研究室に連絡 (5月-6月)

自分のホームページを作る

美術系大学生にとってのポートフォリオみたいな感じで、自分が今まで何やってきたかわかるページは必要という噂を聞いたので頑張って作ってみた(https://hkefka385.github.io/) 。一般的にはもっと早く(博士課程入学した時期)とかに作ってるのがベストらしいがそこらへんを後回しにしていました(反省)。

就活関係なしに名刺代わりになるし、将来研究者になりたい人は必須なので、もっと早めに作ってほうがよかった。自分のページを持っとくと、興味ある会社や研究室に連絡するときにホームページを添付するだけで「こういう人です」というのを示せるのも便利。ちなみに、ホームページを作るツールの最近の流行りはgithub pagesらしいので、自分もgithub pageでwowch emyのacademicテンプレートを使って作成した。 github.com

情報を調べる

残念ながら調べてもほとんど出てこないです。 とりあえず、就職情報が流れて着やすいアカリク (https://acaric.jp/)とアカデミックの求人情報が流れて着やすいJREC-IN (https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop)に登録したりしてみました。あとは学会のメーリスとかにもそういう情報が流れてくるのでありがたい。 登録はしてみたものの結局は、アカリクではあまり自分に合った情報がほとんどなかったり、JREC-INは見ていてもどこが良いのか分からない (インターフェースも良くない)こともこれらのサイトはほとんど使いませんでした。

ブログ(?)だと

あたりが参考になりました。

興味ある会社・研究室に連絡

求人情報を眺めててもきりがなかったので、とりあえず興味のあるところにメールなどで連絡しました。大抵のところは連絡したら、ありがたいことに返信を頂いて、オンラインミーティングなどでお話をさせていただけました。自分の来年の就職先もこれを通じて(ほぼ)確定しました。

以下、意味のない頭文字でどんな感じだったか

  • A研: 学生としての所属研究室。卒業しても1年くらいは居ても良いみたいなことは言われていたけど、なんとなく外には出たかったので一応のセーフラインとして残しつつ、他のところを見ることにした。

  • B研: 計算社会科学系の研究室。学振 (PD)を取る必要性について教えていただいた。なんにも考えてなかったのでちょっと落ち込む。

  • C研: ソーシャルメディア系の大学の研究室。ただポストの応募は今募集してないらしかったが、簡単に自分の研究の紹介をしつつ、「こういうことができそうだよね」みたいに楽しく話した。

  • D研: Fairness系のとある研究所の研究室: できたばかりのところというのもあり、1時間くらいこういう研究室です (していきたいです。)というお話を聴く。自分の去年のANLPの発表も聞いていただけたみたいで、嬉しかった。ただ、やりたい方向性はちょっと違うかなとも思った。

  • E社: ちょっと大きめのIT系の会社1: その会社の行きたい部署に所属する人に連絡してみたところ、直接その部署での募集はしていないらしく、一括採用を経て希望を言えば行きたい部署に行けるかもしれないということらしい。入った後にその部署に行けなかった場合のことを考え応募は後回しに。連絡とった方も自分の発表を覚えてくれてみたいで嬉しい。

  • F社: ちょっと大きめのIT系の会社2: 会社でやっていることなどを紹介していただく。かなり面白そうな印象。研究よりも開発メインらしい。

  • G研: データマイニング系の研究室: 電車で行ける距離ということもあり直接研究室に訪問させていただく。そこで4時間くらい長々と話をし、よければ研究員としてきて来たら?(就活内定と同義?)みたいなことを言われ、個人的にも好感触だったので1-2週間ほど他の会社や研究室を見つつ考え、快諾。

最終的にG研にしたが,各条件としては

  • (必須) 研究職: ◯
  • (優先度高) 実力が付きそう: ◯
  • (優先度高) Twitterのデータが使える研究ができる: △
  • (優先度高) 計算社会科学系のことができる: ✗
  • (優先度高) 自転車でマックとかファーストフード店に行ける: ◯
  • (優先度高) 自由度がそこそこ高い: △
  • (優先度中) 怖くない上司: ?
  • (優先度中) フレキシブル: ◯
  • (優先度中) 京都: ✗
  • (優先度中) 日本: ◯
  • (優先度低) 給料高い: △ / ✗

こんな感じ

振り返ってみて

  • 学振PD出すなら早めに: 自分がD3の4月ぐらいから就活を初めたんですけど、多分PD出すならこのスケジュールって間に合わないんですよね(間に合わせるなら頑張らないといけない)。 学振PDを出すとなると、そもそも今いる研究室とは異なる研究室を探す必要があって、そのボスに連絡をとって出してもよいかという確認を取らなくちゃいけない。 学振PDを出してる人はD2の時の学会とかに行きたい研究室の人とかと会って知り合いになったり、そこで誘われたりするんですかね??他の人がどういうふうに学振PDで出す所を決めてるのかは単純に気になる。私は全然考えてなかったし、最終的にも出さなかったので尚更気になる。

  • 自分の研究を知ってると嬉しい: 嬉しいよね。面接とかであの時の発表聞きましたとか言われると純粋に嬉しい。(まだ卒業していないけど)博士課程での大きな後悔の1つは外(インターン)とか全然しなかったことなので、外部の人と触れる機会なんてほとんどなかったので、言われ慣れをしていないこともあって嬉しい。

  • 業績は見ていない?: カジュアルミーティングとかで話していて全然業績の話が出なかったんですよね。見ていないのか、気にならないのか、見たけど触れないでいてくれるのかがわからないんですけど、そこらへんは採用とかの時にあんまり意識していない気もしました。

  • 就活という名目をもっと使いたかった: 気軽に連絡できないタイプの人間にとって就活っていう名目でいろんな人の話を聞けるのってかなり大きい恩恵。学部時代の時も就活をしていて同じことを思ったんですけど、就活中、特に新卒という肩書は使えるタイミングがほとんど無いので、使える時にどんどん使っていけばよかったです。ある程度就活が決まった今となっては、そういう名目がないので気になる企業があってもやっぱり連絡はしづらい(相手側にとって時間の無駄になる可能性があるので)。

  • 就活にパターンはない?: 一応、研究室の先輩が2人いたのでその2人がどのような就活をしたのかっていうのは軽く知ってるんですけど、私とは全然違います。一人は医療ベンチャー系を色々見てたらしいですし、もう1人は卒業の数ヶ月前までほとんど就活せず、ギリギリに行きたい所を受けて、そこの内定をもらったのでフラっと行ったりしてた。あんまり型に縛られなくてもなんとかなる(かもしれない?)ところは良い点ですね。